東映何でも時代劇風 『無限の住人』

興行成績の悪さばかりが報じられている『無限の住人』ですが、ちゃんと見どころもある映画です。見て来ました。

三池崇史監督ほど極端に評価が割れる監督も珍しいです。私の場合は、近作ですと、

(〇=好き △=まずまず ×=ダメだった…)

●『十三人の刺客』〇

●『一命』△

●『悪の教典』×

●『藁の楯』〇

●『テラフォーマーズ』×

…こんなところです。

【物語】

江戸時代。旗本の不正に気付いたことがきっかけで藩を追われた元同心の万次(木村拓哉)は、妹を殺されたあげく、不老不死の肉体になるという”蟲”を移植され、死ねない体になってしまう。

数十年後。剣客集団「逸刀流」に両親を殺された少女・凛(杉咲花)は、復讐のため、用心棒として万次を雇う。

1970年代、東映には、アナーキーで破天荒な時代劇の作品群がありました。往年のエロ・グロ・ナンセンスをそのまま映像化したような、猥雑で活気に満ちた映画の数々からは、深作欣二山下耕作(主に任侠映画)など、強烈な個性を持った映画監督が出世していきましたが、今回の『無限の住人』は、それらに最も近いものを感じます。

エロは無いですが、血のりと人体破壊はてんこ盛り。これぞアナーキーな日本映画!面白いかどうかも別問題。ゴールデンウィークを利用して家族で楽しく映画を見に来た観客や、木村拓哉目当ての観客のことなど微塵も考えていない激烈な作風からは、清々しささえ見て取れます。

そんなカオスな作品の中で、田中泯のしたたかな存在感だけは、光り輝いています。

〇・△・×の3択で評価するなど不可能に近い、混沌とした2時間20分ですが、いつもの5段階では★★★といったところです。

三池監督の次回作は『ジョジョの奇妙な冒険』。これまたとんでもない冒険に出たものです。