おほぞらは梅(むめ)のにほひに霞つつくもりもはてぬ春の夜の月 藤原定家

おほぞらは梅(むめ)のにほひに霞つつくもりもはてぬ春の夜の月

 藤原定家

 守覚法親王家五十首歌に

 新古今和歌集 巻第一 春歌上 40

「大空は梅の匂のために霞んでいて、まことに「曇りもはてぬ春の夜の」朧月で、これに優る眺めはないことだ。」『新日本古典文学大系 11』p.30

建久九年(1198)頃、御室五十首。

本歌「照りもせず曇りもはてぬ春の夜の朧月夜にしくものぞなき」(大江千里 新古今 春上)。

本歌で歌われた朧月夜の景情を梅の匂のためと趣向して、視覚的表象に嗅覚的なそれを加え、「しくもの」のなさを一層細やかに理由づける。

「梅」の歌。

藤原定家(ふじわらのさだいえ(ていか)1162-1241)藤原俊成の子。

千載集初出。新古今集、新勅撰集撰者。勅撰入集四百六十七首(最多入集歌人)。

隠岐での後鳥羽院による『時代不同歌合』では元良親王と番えられている。

小倉百人一首 97 「こぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くやもしほの身もこがれつつ」

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